スノーバナナ「生涯に一度の大きな花を咲かせる」
現在植物園の雲南温室では、スノーバナナが開花しています‼
スノーバナナ(Ensete glaucum)は同じバショウ科のバナナと見た目はよく似ていますが、別属のエンセテ属の植物です。その名前が示すようにこの仲間としては例外的に高い耐寒性があります。特徴的な巨大な花序(かじょ)をつけ、バナナと違って株元から吸芽と呼ばれる子株を出さないので、開花後には枯れてしまいます。中国南部から東南アジアやニューギニア、ヒマラヤにかけて分布します。
今回、開花したスノーバナナは6年前に種子を入手して育てたものです。本株は数年かけてゆっくりと成長し、今年の5月に高さ1mほどに成長したため、直径1.1mの大きな布製の鉢にたくさんの肥料を入れて植え込みました。その後、急激に成長し、8月末には根本の直径が約30cm、高さ約6mに達して開花が始まりました。現在でも順次開花しながらゆっくりと花序を伸ばしています。
スノーバナナの開花は大変めずらしく、当園以外でその様子を見ることはほとんどありません。また、当園で保有する株もこの個体で最後となります。ぜひこの機会にご覧ください。