ファンタジックな魔草「マンドラゴラ」開花中!
マンドラゴラ(Mandragora officinarum L.)はマンドレイクとも呼ばれるナス科の多年草で、地中海沿岸地域原産です。数種のアルカロイド(塩基性の有機化合物)を含んでいるため、かつては薬草として用いられていました。
中世ヨーロッパでは、魔術・錬金術の材料として利用された経緯があります。太く複雑な根の形状が、しばしば人間に似た形になることから、媚薬の原料になるなど、多くの伝説や迷信を現代に残してきました。有名なものでは、引き抜く時に根がちぎれる音(叫び声)を聞くと死に至るので、紐でつないだ犬に引き抜かせて収穫していたといいます。その特徴的な根も観察できるよう液浸標本と、乾燥した根も展示しています。
J.K.ローリングの小説「ハリー・ポッター」シリーズをはじめ、現在でも多くのファンタジーなどの創作に登場し、とても有名ではあるものの国内での栽培はまれで、マンドラゴラが実在の植物であることを知っている方や、ましてや実物を見たことのある方は、まだ多くないと思われます。
今年で4年目の展示となりますが、例年以上の花付きです。