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生涯一度の花 オオハマギキョウ開花!

当園の熱帯雨林植物室では、絶滅危惧植物のオオハマギキョウが開花しています。

 

 

オオハマギキョウLobelia boninensis(キキョウ科)は、小笠原諸島原産の絶滅危惧種(絶滅危惧II類(VU))で、一回結実性植物です。一回結実性植物とは発芽後も花を咲かせずに成長を続け、一生のうちに一度だけたくさんの花を咲かせ、種子をつくって枯れていくという生活史を送ります。つまり、オオハマギキョウは最期に一花咲かせて、この世を去る植物なのです。一回結実性の生活史をもつ植物は、大陸から離れた海洋島や熱帯地域の高山で森林限界を超えた場所に見られ、オオハマギキョウが自生する小笠原諸島では、開花までに5~6年ほどかかります。

 

 

 

当園では2006年に導入した種子を播種し、その後ゆっくりと成長し、今では花茎を含めると4mほどに達しています。現在4株が花を順次咲かせながら、果実を結びつづけています。

 

 

今回採取した種子を播種しても次回開花するのは10年ほど先になるものと思われます。現在、花が多数咲き、丸く膨らんだ果実もちょうど見頃を迎えています。